モーツァルト/ピアノ協奏曲第1番、第2番、第3番、第4番
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ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791): 1-3. ピアノ協奏曲第1番 ヘ長調 K.37 4-6.ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 K.39 7-9. ピアノ協奏曲第3番 ニ長調 K.40 10-12. ピアノ協奏曲第4番 ト長調 K.41 ゲリット・ツィッターバルト(ピアノ) トーマス・ファイ(指揮)/シュリアバッハ室内管弦楽団 録音:1997年 HANSSLER【ドイツ輸入盤】 モーツァルトのピアノ協奏曲といえば、第20番以降の成熟した傑作がよく知られていますが、第1番から第4番は、彼がまだ10代前半だった1760年代に書かれた「天才少年」の出発点にあたる作品です。 興味深いことに、これら4曲はモーツァルトがすべてを一から作曲したものではなく、当時の作曲家たちのソナタを素材として、ピアノ協奏曲へと仕立てたものです。しかし、その編曲の巧みさにはすでに並外れた才能が表れており、ピアノとオーケストラの掛け合いや軽快なリズム、愛らしい旋律などから、後のモーツァルトにつながる個性を十分に感じ取ることができます。 そして、このアルバムにはもう一つ興味深い「若き才能」の物語があります。指揮を務めるトーマス・ファイにとっても、これはキャリア初期の録音のひとつ。1987年にはハイデルベルク交響楽団の前身となるシュリアバッハ室内管弦楽団を組織し、この録音ではまだそのオケ名がクレジットに載っています。後年、ハイドンの交響曲全集で世界的に注目されることになるファイですが、ここではまだ若い指揮者として、モーツァルトの最初期作品に向き合っています。 ファイはニコラウス・アーノンクールの影響を受け、古典派音楽を生き生きと、そして大胆に再現することを得意としました。この録音でも、音楽を重たく扱わず、鋭いアクセントや鮮やかな強弱によって、少年モーツァルトの持つ瑞々しさと躍動感を引き出しています。後年のファイを知る人にとっては、その独特の音楽性がすでに芽生えていることにも注目したいところです。 ピアノのゲリット・ツィッターバルトは、古典派作品を得意とするドイツのピアニスト。明晰で軽やかなタッチと自然なフレージングによって、これらの作品を「未熟な習作」としてではなく、少年モーツァルトならではの魅力を備えた音楽として聴かせます。若きモーツァルトが協奏曲というジャンルを学び始めた時期と、若きファイが指揮者として歩み始めた時期。その二つの「出発点」が重なることこそ、この録音の大きな魅力です。後年の完成されたモーツァルト、そして円熟したファイを知るうえでも興味深い一枚といえるでしょう。なお、この初期モーツァルト協奏曲の録音は、フランスの音楽誌『ル・モンド・ド・ラ・ミュジック』の「CHOC」という最高評価を受けています。未開封新品です。