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ミスリヴェチェク、ヴィオッティ、シューベルト、シュポア/ヴァイオリン協奏曲集

ミスリヴェチェク、ヴィオッティ、シューベルト、シュポア/ヴァイオリン協奏曲集

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1-3. ヨーゼフ・ミスリヴェチェク(1737-1781)/ヴァイオリン協奏曲第4番 変ロ長調 4-6. ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティ(1755-1824)/ヴァイオリン協奏曲第22番 イ短調 G.97 7. フランツ・シューベルト(1797-1828)/ヴァイオリンと弦楽のためのロンド イ長調 D.438 8-10. ルイ・シュポア(1784-1859)/ヴァイオリン協奏曲第8番 イ短調「劇唱の形式で」 Op.47 エリザベス・ウォルフィッシュ(ヴァイオリン) ロイ・グッドマン(指揮)/ブランデンブルク交響楽団 録音:1995年10月30日、11月1日 HELIOS【イギリス輸入盤】 18世紀後半から19世紀初頭にかけて、ヴァイオリン協奏曲がどのように変化していったのかを一枚で楽しめるアルバム。チェコ出身のヨーゼフ・ミスリヴェチェクから、イタリアの名ヴァイオリニストとして知られたヴィオッティ、若きシューベルト、そしてロマン派の先駆者シュポアまで、約半世紀の音楽史を4つの作品でたどります。 最初のミスリヴェチェク(1737-1781)は、モーツァルト一家とも親交のあったボヘミアの作曲家で、1770年にボローニャでモーツァルトと出会い、ヴォルフガングから「火と精神と生命に満ちている」と評された人物です。「ヴァイオリン協奏曲第4番」は、モーツァルトのヴァイオリン協奏曲より数年前に書かれた作品で、明朗な旋律と軽快なリズム、イタリア的な優雅な響きが魅力です。後の古典派協奏曲へとつながる晴れやかで活気に満ちた音楽です。なお、この作品は現存譜に多くの誤りがあり、ロイ・グッドマンが演奏可能な形にするため大幅な校訂を行っています。 続くヴィオッティ(1755-1824)は、イタリア生まれながらパリやロンドンで活躍し、近代的なヴァイオリン奏法の発展にも大きな影響を与えた名手でした。「ヴァイオリン協奏曲第22番」は1790年代の作品で、ミスリヴェチェクの明快な古典派様式から一歩進み、独奏ヴァイオリンの華麗な技巧と雄大な歌謡性が前面に出ています。特に第2楽章の美しい旋律はこの作品の大きな聴きどころで、ブラームスも高く評価した名作です。 シューベルト(1797-1828)の「ロンド イ長調 D.438」は、1816年わずか19歳の頃の作品。シューベルトはヴァイオリン協奏曲を残していませんが、このロンドは、充実した独奏パートとオーケストラとの対話によって、ほとんど「協奏曲」と呼べるほどの規模と完成度を備えています。明るく親しみやすい旋律の中にもシューベルト特有の歌心と、ふと陰影を見せる和声が感じられる佳品です。 そして最後を飾るルイ・シュポア(1784-1859)の「ヴァイオリン協奏曲第8番」は、シューベルトと同じ1816年の作品です。ここではヴァイオリンが単なる技巧的な独奏楽器ではなく、まるでオペラ歌手のように「歌う」ことが最大の特徴です。《劇唱の形式で》という副題の通り、作品全体がひとつの劇的なアリアのように構成され、ヴァイオリンが声の代わりに感情を語ります。当時、シュポアの協奏曲はベートーヴェンの作品以上に人気を博していたほどで、その洗練された歌謡性はロマン派ヴァイオリン音楽の先駆けともいえるでしょう。 演奏するエリザベス・ウォルフィッシュは、バロック・ヴァイオリンから古典派初期までの演奏で高い評価を受けているイギリスの名手。歴史的奏法への深い知識を持ちながら、単に「古楽的」なだけではない豊かな歌心と自在な表現力を備えています。本盤でも作品ごとに楽器や弓を使い分け、ミスリヴェチェクにはよりバロック的な楽器、ヴィオッティやシューベルト、シュポアには1790年頃のトゥールト型弓を用いるなど、時代様式の違いを細やかに反映しています。 ロイ・グッドマンとブランデンブルク・コンソートも、明晰で軽やかな響きによってウォルフィッシュのヴァイオリンを支えています。ハープシコードからフォルテピアノへと通奏低音の楽器も作品に応じて変えるなど、細部まで考え抜かれた演奏です。有名曲だけでは味わえないヴァイオリン協奏曲の発展そのものを楽しめる好アルバムです。ウォルフィッシュの流麗な技巧と美しい音色も素晴らしく、隠れた名曲を発掘する楽しみを十分に味わえる一枚です。未開封新品です。